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 17日午前11時半ごろ、北海道根室市の納沙布岬沖約640キロの海上で、北海道大樹町の大樹漁協所属のサンマ棒受け網漁船「第65慶栄丸」(29トン、敬礼寿広船長ら8人乗り組み)が横波を受けて音信不通になっている、と僚船から根室市の落石漁協を通じて海上保安庁に通報があった。約3時間後、海保の航空機が同岬沖約610キロの海上で同船とみられる転覆した船体を発見した。乗組員の姿はなかったという。海保の巡視船が救助に向かっている。

 大樹漁協によると、乗組員8人は全員北海道在住。第1管区海上保安本部によると、巡視船「えりも」は18日午前8時半ごろ現場海域に到着の見込み。特殊救難隊を乗せた巡視船「そうや」も現場海域へ向かう予定だ。

 大樹漁協によると、慶栄丸は根室市の漁船とサンマ漁の船団を組み、9月12日に根室市の花咲港を出港。サンマ漁が不調なため、例年は一昼夜ほど離れた海域で漁を行うが、今回は数日かかる遠方で操業していた。今季3回目の航海だった。事故当時は帰港の途中だったとみられる。

 大樹漁協が落石漁協から受けた連絡によると、17日朝、慶栄丸の乗組員は電話で連絡を取った僚船の乗組員に「しけているのでゆっくり帰港する。横波を受けて、水を(船体から)取っている」と話している途中で電話が切れたという。慶栄丸の位置情報は午前7時ごろを最後に途切れたが、船の異常を知らせる救難信号は出なかったという。

 大樹漁協の神山久典組合長は「船には転覆した際、自動で開く救命イカダを搭載している。経験豊富な乗組員たちだからきちんと乗り移り、無事に帰ってきてくれることだけを祈っています」と話した。

 1管によると、船体が見つかった当時、現場付近の天候は曇りで、波の高さは4メートルだった。