亡くなる前日「1本10円続けて」 焼き鳥店主は誓った

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渋谷雄介
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 焼き鳥を1本10円で提供し続けている焼き鳥店がある。福岡県大牟田市の老舗「やきとり元禄」。過去に何度も訪れた消費増税の荒波を乗り越え、40年近く「10円」を死守してきた。10月から消費税はさらに10%へと引き上げられるが、祖父、父の思いを引き継ぐ3代目の若き店主は、意地で10円を守る。

 9月中旬、まだ明るい午後4時の開店と同時に、元禄のカウンターは常連客で埋まった。3代目の店主・吉岡凌さん(24)が、七輪で手際よく串を焼いていく。焼き鳥は鶏皮と砂ずりの2種類のみ。注文するのではなく、凌さんが客の酒の進み具合に応じ、頃合いを見て焼き上がった5本ほどを皿にのせて出す。

 1週間で仕込むのは皮15キロ、砂ずり6キロほどで、計700串にもなる。母の日登美さん(46)と2人で作るが、焼けば焼くほど赤字だ。それでも凌さんは「家族が食べられるだけの利益が出ればいい」と笑う。

 近隣では1本80円程度の店もあるが、10円にこだわるのには理由がある。

 店は、凌さんの祖父・鑑正(…

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