「あの日、貴乃花は2人いた」 謎抱えたまま18年
抜井規泰
あの日、貴乃花は2人いた――。
東京・両国国技館では連日、大相撲秋場所が熱戦を繰り広げている。毎年その秋場所を迎えるたびに、胸に去来する思いをかみしめる親方がいる。
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「あれが、人生最高の一番だった」。そう振り返るのは、元横綱の武蔵丸、今の武蔵川親方だ。2002年秋場所千秋楽。貴乃花と1年4カ月ぶりに戦い、12度目の優勝を果たした結びの一番のことだ。
前年の01年夏場所。武蔵丸は優勝決定戦で敗れ、貴乃花に「奇跡の優勝」を許した。表彰式での小泉純一郎首相(当時)の「感動した!」という絶叫を記憶する人も多いだろう。14日目に負った右ひざの大けがをおして土俵を務めた貴乃花は優勝決定戦で武蔵丸を倒し、逆転優勝を果たした。
実は、その日から武蔵丸は今も解けない謎を抱え続けている。
大一番に敗れた武蔵丸は西の…
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