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 死刑囚として国内で初めて再審無罪となった「免田事件」の免田栄さん(93)が熊本大学文書館に寄贈した事件関連の資料の一部が、17日から企画展「『地の塩』の記録」で一般公開された。同日は免田さんと妻の玉枝さん(83)が会場の熊本大学付属図書館で講演をし、民主的な社会の実現を訴えた。

 講演で免田さんは「残念ながら、相当な方の死刑を見てきた。一人一人の目、顔が私の脳裏に浮かんでいる」と話し、「私は運良くチャンスが回り、再審に道を開いた。運のいい人と運の悪い人がいる社会で、私は運が良かった方だ。そうしたこと(運による差)が無いように、自分の経験を生かしたい。新しい民主的な道が開けるようにお願いしたい」と訴えた。

 妻の玉枝さんは免田さんが長年、無実の罪に耐えてきたことについて語った夫婦の会話を披露。「よくこの短気な人(免田さん)が頑張ったなと。『どうしてあなたそんなに気持ちが短気なのに、長く34年も頑張れたの』と尋ねたら、『最後には殺されるから』と答えた」などと話し、免田さんが常に死刑の恐怖におびえる日々を送っていたと振り返った。そして「日本の社会は、自らが必要なときは自らが立ち上がらなくては駄目」と語った。

 企画展は9月30日まで開かれる。入場料は無料。免田さんが父親の栄策さんに宛てた直筆のはがきや、獄中で使用していた六法全書などが展示されている。(神崎卓征)

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