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 サウジアラビアの石油施設が攻撃されたことを受け、同国のアブドルアジズ・エネルギー相は17日の記者会見で「原油の供給は完全に回復した」と語った。サウジ国営通信などが伝えた。14日の攻撃で同国の原油生産量のおよそ半分が停止していたが、備蓄を供給にまわすという。復旧に時間がかかり原油価格が高騰するとの懸念に対し、沈静化を図った形だ。

 同通信などによると、アブドルアジズ氏は「今月末までに生産能力は攻撃前の水準に回復する」と強調。攻撃を受けた同国東部アブカイクの石油施設では復旧が進み、すでに日量200万バレルを生産しているとし、9月末までには元の生産能力を回復するとした。生産量などの回復には数カ月かかるとの見方が出ていたが、同氏は早期復旧に期待感を示した。

 攻撃を受けたのは同国東部にある国営石油会社サウジアラムコの石油施設2カ所。内戦中の隣国イエメンの反政府武装組織フーシが、10機のドローンで攻撃したと犯行を主張している。この影響で、サウジの生産量の約半分にあたる日量約570万バレルが一時供給停止に追い込まれた。世界の1日の生産量の5%にあたる量で、原油価格が急騰するなどして、世界経済への懸念が出ていた。

 一方で、アラムコは17日、同社の新規株式公開(IPO)について、「12カ月以内に準備ができる」との見通しを示し、攻撃後も、準備を続ける意向を示した。

 17日のニューヨーク商業取引所では、原油価格の指標となる「米国産WTI原油」の先物価格が急反落し、前日比3・56ドル(5・7%)安い1バレル=59・34ドルで取引を終えた。サウジの石油施設の復旧が想定より早まるとの見方から、供給不安が和らいだ。WTI先物は前日、約15%高と歴史的な急騰を記録していた。

 トランプ米大統領は戦略石油備蓄の放出にも言及していたが、17日には「必要だとは思わない。原油(価格)は非常に大きくは上がっていない」と記者団に語り、慎重姿勢に転じた。(テヘラン=杉崎慎弥、ニューヨーク=江渕崇)