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 沖縄県宮古島市の市民6人が起こした住民訴訟をめぐり、市の名誉が毀損(きそん)されたとして、6人に損害賠償請求訴訟を起こす方針だった市は18日、市議会9月定例会に提出していた議案を撤回した。議会も撤回を承認した。

 下地敏彦市長は午前の議会終了後、記者団に「内容をきちんとした形でやる必要があるので撤回した」と話した。

 議案は25日の最終日に採決される予定だったが、市内外から「住民の異議申し立てを封じる恫喝(どうかつ)訴訟だ」などと批判が出ていた。

 住民訴訟は、市のごみ撤去事業をめぐって市民が起こした。市が2014年度に、市内の業者と約2251万円で委託契約を結んだのに対し、市民6人は、市がごみの量を実際よりも多く見積もり、違法に高額な契約になったとして事業費返還を求めて16年に提訴した。

 那覇地裁は「裁量権の範囲を著しく乱用または逸脱したものとして地方自治法に違反し、無効であったとはいえない」として訴えを退け、二審も市民側が敗訴した。最高裁も今年4月、市民側の上告を棄却。市民側の敗訴が確定した。

 市は議案書で、訴訟を起こした市民について「公然と虚偽の事実を摘示して宮古島市の名誉を毀損した」と主張。「宮古島市は公法人であるが、公法人も社会的名誉を保有しており、法的保護のため、名誉毀損を理由として損害賠償を請求する」としていた。