[PR]

 46歳女性。小学生のときから鉛筆を持つときに手が震えるなどしており、大学生の時「本態性振戦(ほんたいせいしんせん)」と診断されました。薬を処方してもらいましたが、その後ぜんそくになり、のめなくなりました。最近震えがひどくなり、悪化したらと不安です。(兵庫県・M)

【答える人】楠進(くすのき・すすむ)さん 近畿大学医学部脳神経内科教授=大阪府大阪狭山市

 Q 「本態性振戦」とはどんな病気でしょうか。

 A 震えが見られますが、それ以外の異常が見られず、原因になるものも見られないというものです。乾杯の時にコップを持ち上げたら震えるなど、何か動作をしたときに出てきます。震えるのは手や首が多いです。

 Q どう診断しますか。

 A 震えがある他の病気ではないかを調べます。一番考えなければいけないのはパーキンソン病の可能性です。静止時、力を抜いた状態で震えるところが本態性振戦と違います。また、パーキンソン病は放置すると動きが悪くなるなど悪化していきますが、本態性振戦は震え自体が重くなっても、命に関わるなどすぐに治療しなければならない状態とは必ずしもいえません。他に、甲状腺の病気や小脳障害などでも手が震えることがあります。診断には脳神経内科を受診するといいです。

 Q 症状が出やすい年齢などに特徴はありますか。

 A 二つピークがあって、高齢者に多いですが、20代にも山があります。ただ、どの年齢でも見られる可能性はあります。

 Q 珍しい症状ですか。

 A 報告にもよりますが、人口の2・5~10%に見られるといわれており、そこまで珍しいものではありません。また、程度もさまざまです。

 Q 治療の方法は。

 A 一般的な治療はベータ遮断薬です。交感神経の働きを抑えますから、脈が遅くなったり、血圧が下がり過ぎたり、気分が悪くなるなどといった副作用があります。気道を狭めることもあるので、ぜんそくの場合は使えません。ぜんそくの症状が落ち着いても、服用によって悪くなる可能性があるので個別の判断になります。

 Q 薬以外の治療法は。

 A 脳深部刺激法という治療法があり、保険適用になっています。脳の中に電極を入れて刺激します。頭骨に穴を開けるため体への負担が大きいですが、震えが薬でコントロールできず、日常生活にかなり影響がでるようであれば考えてもいいと思います。その他にも新たな治療法がありますので、専門医とご相談ください。

 質問には連絡先を。回答は紙面に限ります。

【メール】  kenko@asahi.comメールする

【郵便】   〒104・8011 朝日新聞科学医療部

【ファクス】 (東京)03・3542・3217

       (大阪)06・6201・0249

<アピタル:どうしました・その他>

https://www.asahi.com/apital/healthguide/hatena/