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 埼玉県熊谷市で10年前、小学4年の小関孝徳さん(当時10)が死亡した未解決のひき逃げ事件で、県警は18日、罪名を自動車運転過失致死罪から危険運転致死罪に変更し、捜査を始めた。今月末の時効が10年延びることになる。県警への取材でわかった。母親の代里子さんは朝日新聞の取材に「時効が直前に迫る中、気持ちを受け止めてくれて感謝している」と話した。

 代里子さんは県警や警察庁に繰り返し罪名変更を要望。県警によると、今年8月から、さいたま地検などと具体的な協議をしていた。県警は変更の理由を「現場の状況などを詳細かつ総合的に検討した結果」と説明した。

 危険運転致死罪は飲酒や薬物の影響で正常な運転ができない状態などで人を死なせた場合に適用されるが、自動車運転過失致死罪からの変更は県警では過去に例がないという。交通法規に詳しい高山俊吉弁護士(東京弁護士会)は「時効延長のための方便的な罪名変更と捉えられないためにも、責任を持って捜査し被疑者を検挙する必要がある」と指摘する。

 孝徳さんは2009年9月30日午後6時50分ごろ、熊谷市の市道で自転車で帰宅途中に車にひかれて死亡したが、目撃情報などが乏しく捜査は難航。16年に道交法違反(ひき逃げ)の時効が成立し、自動車運転過失致死罪の時効が今月30日午前0時に迫っていた。この事件では今年1月、証拠品のうち孝徳さんが身につけていた腕時計を県警が紛失したことが発覚している。(山口啓太、高絢実)