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 日韓の対立による実体経済への悪影響が鮮明になってきた。8月の韓国からの旅行者は前年からほぼ半減し、日本から韓国への輸出は1割近く減った。需要のかき消えた観光地や、不買運動に見舞われる日本企業の悩みは深いが、両政府は拳を振り上げたまま。事態解決を模索する動きは弱い。

 別府や由布院など韓国人客に人気が高い温泉地を抱える大分県。宿泊客が急減し、大分県旅館ホテル生活衛生同業組合によると、8月の韓国人客が前年同月から8割減ったホテルもあるという。堀精治専務理事は「今年いっぱいは厳しい状況が続くだろう。耐えなくてはならない。政治的対立には落としどころも考えてほしい」と話す。

 韓国から近く、温暖で秋から冬にかけてゴルフと温泉を一緒に楽しむ韓国人客が多い地域だ。普段なら予約が伸びるかき入れ時だが、その兆しは見えない。

 大分空港から車で約20分のパシフィックブルーカントリークラブ(大分県国東市)は、宿泊施設が併設され、利用者の半数が韓国人だったという。だが7月以降、キャンセルが相次いだ。もともと団体客が多く、貸し切り予約はすべてキャンセルで全体で計1200人分に上る。

 8月までに韓国の格安航空会社(LCC)が韓国と大分空港を結ぶ3路線を運休したことも逆風となり、新たな予約も入らなくなった。韓国人客数は9月は前年同月の半分以下で、10月は9割も減る見通しだ。

 別府ゴルフ倶楽部(大分県杵築市)は、韓国人客が9月に入ってゼロになった。予約も入らないという。全36ホールのゴルフ場に、天然温泉を楽しめる宿泊施設がある。ここ数年は韓国人客数が右肩上がりで増え、昨年度はのべ5千人が利用した。男性支配人は「減少は覚悟していたが、まさかゼロとは。サービス業としては厳しい状況だ」と頭を抱える。

 韓国人客に人気だった観光地を抱える地方への影響は、全国に広がる。

 北海道では、北洋銀行(札幌市)が17日、観光客が減った旅館や飲食店を対象にした緊急融資の相談窓口を道内の全店に開いた。

 「韓国人客が例年の半分しか来ていない。資金繰りを相談したい」といった連絡が9月に入って相次いだためだ。観光客急減による窓口設置は昨年9月の北海道地震以来で、担当者は「まだ大きな混乱は起きていないが、韓国人客の減少がいつまで続くかわからない。観光関連の事業者の不安を払拭(ふっしょく)したい」と話す。(田幸香純、高橋尚之)

■輸出不振 不買運動も追…

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