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 大滝探検隊とは――?

 日本を飛びだして世界のまだ見ぬ大地を旅し、世間の話題をさらう冒険家集団だった。隊長の大滝雪之丞は元は曲馬団(サーカス)の興行師。手品のトリックを使った千里眼を見世物(みせもの)にする商売でも儲(もう)けるなど、やり手だが得体(えたい)の知れぬ男だった。探検隊の隊員は学者や山岳家など多岐にわたるらしかったが。

 保と森くんがぼくを心配しつつも帰っていった。ぼくは廊下をよろよろと歩き、奥の自室に戻った。

 客間の前を通るとき、太眉でがっちりした体型の三十歳ぐらいの男が、胸を張り、派手な身振り手振りを交えて生き生きと話している横顔が見えた。新聞で写真を見たことがある、大滝雪之丞その人だった。

「――“火の鳥”だって?」

 という父の返事が聞こえ、ぼくはふと足を止めた。大滝がよく通る大きな声で、

「そう! つまり、その、鳳凰(ほうおう)ですな! 西太后が探し求める麗しき妖獣! なんと全身が炎に包まれ、人語を理解する。なんでもですなぁ、その鳥の生き血を飲むと永遠の命が手に入ると言い伝えられているそうな。未知のホルモンを有しており、そばにいるだけで生物の肉体は活性化され……」

 父が「ふむ、ふむ」と熱心に相…

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