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 青森県下北地方唯一の総合病院「むつ総合病院」(一般病床311床)で看護師不足が深刻化し、同病院を運営するむつ市など5市町村でつくる一部事務組合は看護師の処遇や労働環境の改善に乗り出した。組合議会は18日、看護師給与の増額などを盛り込んだ議案を可決。医師確保事業の財源を充て、優先して看護師確保に取り組む。

 同病院の看護師不足について管理者の宮下宗一郎・むつ市長は、病棟の縮小に陥りかねない「危機的な状況」という。病院の看護師数は5月1日現在343人で、充足率は95・5%。2年前から看護師の退職者数が採用者数を上回るようになり、不足が表面化した。今年度は採用10人に対し退職は17人で、対策を取らなければ3年後には20人が不足すると試算している。

 看護師確保へ18日の組合議会では、応援医師の通勤支援に予定していたヘリコプター実証運航を凍結。その予算850万円を看護師の夜勤手当引き上げに充てることを決めた。また病院に一定年数勤めれば返済が免除となる看護師修学資金(月5万円)を月10万円に増額した。

 同病院によると40~50代の看護師は、産休や育休の若手の代わりに夜勤回数が月8回以上と多い。看護師が減れば夜勤のシフトが組めなくなる事態が想定される。また若手は修学資金の返済免除期間まで勤めると給与などで好条件の都会の医療機関へ移る人も出始めているという。組合側では「今後も看護師の働きやすい環境づくりを整えていく」としている。(伊東大治)