小学生のころから40年以上にわたってひきこもり状態だった男性(50)が、同居していた母(当時76)の遺体を遺棄したとして逮捕された。たまたま実家を訪ねた男性の妹(46)が遺体を発見した。男性には、母の死をだれかに知らせたくても、知らせられない事情があった。
布団に横たわった母。その顔に白いタオルがかけられていた。昨年11月、横浜市の実家を訪ねた妹は凍り付いた。兄と母は2人暮らし。父は6年前に他界し、妹は結婚を機に20代で実家を離れていた。
妹は救急車を呼び、兄の部屋のふすまを開けた。兄は畳に体を横たえたまま窓の方を向いていた。「何をやっているの、と憤りがわくとともに、兄が無事でいてくれてほっとした」
神奈川県警に死体遺棄容疑で逮捕された兄は、約2週間後に釈放され、不起訴処分となった。亡くなったのは病気が発端で、死後半月ほどたっていた、と妹は聞いた。
母の死後、妹や、近くの診療所へ発信した履歴が、自宅の電話機に残っていた。兄が番号を押したものの、つながる前に切ってしまっていたらしい。
連絡しようにもできなかった…
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