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 未曽有の原発事故をめぐり、東京電力の旧経営陣3人の刑事責任が問われた裁判で19日、東京地裁は無罪判決を言い渡した。「不当な判決」「市民常識とかけ離れている」。福島で被災した人や支援者からは怒りや失望の声が上がった。

 午後1時15分すぎ。福島原発刑事訴訟支援団のメンバーが「全員無罪」と書かれた紙を持って東京地裁前に出てくると、待っていた人たちからは「ふざけるな」「不当判決だ」との怒号が飛んだ。

 事故後に福島県大熊町から水戸市に移り住んだ菅野正克さん(75)は、傍聴席で判決を聞いた。「一般市民との常識の乖離(かいり)がやっぱりあった」と怒りを抑えながら話した。

 父の健蔵さんは2011年3月の事故当時、大熊町の双葉病院に入院していた。病院内で数日間の待機を余儀なくされ、その後は県内の避難所や病院を転々とした。移動距離は計250キロ。3カ月後の6月、99歳で亡くなった。

 菅野さんは「多くの人が避難を強いられ、いまだに帰還のめどが立たない状況に置かれている。企業のトップが責任を取らなくていいのか」と訴えた。

 避難先からこの春、原発から40キロの福島県飯舘村に戻った大久保美江子さん(66)は、自宅のテレビで判決を聞いた。「事故を繰り返さないため、トップの責任をはっきりして欲しかった」と話した。

 事故の1カ月後、村に避難指示が出ることが伝わると、同居する義父の文雄さん(当時102)は「避難したくない。長生きし過ぎたな」と言い残して自宅で首をつった。大久保さんらは悔しさから東電を提訴。裁判所は事故との因果関係を認め、判決は確定した。

 しかし、今回は無罪判決。「刑事裁判はハードルが高いが、無罪判決では亡くなった人が浮かばれず、遺族は心にポカンと穴が開いたままだろう」と思いやった。

 閉廷後、福島原発告訴団の武藤…

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