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 埼玉県の大野元裕知事(55)は19日、ラグビー・ワールドカップ(W杯)を前に、昨年から流行している風疹の抗体検査を受けた。風疹は妊婦がかかると、赤ちゃんの目や心臓などに後遺症が残ることがある。国が配っている検査などのクーポンは利用が進んでおらず、自ら検査を受けてアピールした。

 風疹は海外から持ち込まれて流行している可能性がある。20日にはW杯が開幕し、来年には東京五輪・パラリンピックが開かれる。観客の中には、子どもの時に予防接種を受けていないため流行の中心になっている40代から50代の男性も含まれることが想定される。

 国は今年4月から、この年代の男性を対象に、検査を受けて、抗体が不十分な人は無料でワクチンが打てるクーポンを配っているが、5月までに2%程度しか利用されていない。

 大野知事は19日夕、県庁内の診療所で検査のための採血を受けた後、記者団に「自分の健康を過信している人も多いが、自分を介して子や孫に影響を及ぼしてしまうかもしれない。その責任を自覚してほしい」と呼びかけた。

 風疹は感染してもわからないぐらい軽い症状の人もいるが、感染力は強い。妊婦がかかると、子どもが難聴や白内障、先天性心疾患などの先天性風疹症候群(CRS)になることがある。

 2000年以降、67人のCRSが確認され、今年は県内の男の子1人を含む3人の報告例がある。母親に十分な抗体があり、妊娠中にかかった覚えがなくてもCRSになる。県内の報告例はそれだった。予防接種により、流行をなくさなければCRSは防げない。

 クーポンは原則、1972年4月2日から79年4月1日生まれの男性に市町村から郵送されているが、62年4月2日から72年4月1日生まれの男性も希望すれば利用できる。(松浦新