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 沖合底引き網漁船が帰港する愛知県蒲郡市は、地元で流通する地魚の種類が豊富だ。そんな漁業の街でも、近年は若い人を中心に魚を食べる機会が減っているという。地魚のおいしさを知ってもらおうと、県立三谷水産高校で地魚の調理を体験する授業があった。

 「うろこは丁寧にとって。洗い流したらエラを取り除きます」。三谷水産高の調理室で、がまごおり地魚普及実行委員会会長の笹野弘明さん(45)が説明した。同校の卒業生で、市内で居酒屋を営む笹野さんが指導にあたった。用意した地魚はアカムツ。ノドグロの別名を持ち、テニスの錦織圭選手が好物と公言したことで注目されている高級魚だ。

 魚をさばいた経験がない生徒がほとんどで、慣れない手つきで包丁を握り、煮付ける前の下処理に取り組んだ。味付けは、酒としょうゆと砂糖だけを使ったシンプルなものにした。2年生の白井息吹さんは「おいしくできた。煮魚は難しいけれど、家でも魚をさばいてみたい」と話した。

 尾頭付きの煮魚をまずは食べてもらいたいと笹野さん。「どういう姿をした魚で、どんな味なのかを知る機会を持ってほしかった。めったに煮魚を食べない高校生も、箸を付ければおいしさが分かります」(宮沢崇志)