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 路線バスの終点到着後、折り返して出発するまでの待機時間のうち、労働時間は1割――。北九州市営バスの嘱託運転手25人が、待機時間の賃金計約3400万円の支払いを市に求めた訴訟の判決が20日、福岡地裁であり、鈴木博裁判長はこう判断した。支払い済み分を除いた計6万円の請求を認めるにとどめ、原告側の主張をほぼ退けた。

 待機時間が労働時間にあたるかどうかが争点だった。過去の判例では、労働時間は「使用者の指揮命令下に置かれていたかどうか」で判断されてきた。

 運転手側は「使用者の指揮命令下で、車内の清掃や忘れ物の確認のほか、行き先の問い合わせへの対応が必要」として、労働時間と主張。市側は「乗客対応が必要な時間分の賃金は支払っており、その他の休憩時間には乗客対応は求めていない」と反論していた。

 鈴木裁判長は判決で、2012年2月に市が運転手に「忘れ物の確認」「車両の移動」「接客」以外は「休憩時間」にあたると伝えていたと指摘。運転手は近くで喫煙することもあり「トイレ以外の理由でもバスを離れることが許されていた。指揮命令下にはなく、労働時間にはあたらない」とした。

 一方で、長さなどから「待機時間の1割が労働基準法上の労働時間にあたるものと認めるのが相当」と結論づけた。

 原告側代理人は「客が乗車してくるなど、待機時間でも働くことがあり、事実認定が現場の状況と異なる。極めて不当な判断」と控訴する方針を示した。北橋健治市長は「主張の大部分が認められた妥当な判決」とコメントした。