[PR]

 大阪市営地下鉄(現・大阪メトロ)の50代の男性運転士2人が、ひげを理由に人事評価を下げられたことを不当として市に計約450万円の賠償などを求めた訴訟で、市は20日、上告しないと発表した。原告側も上告しないため、市に計44万円の損害賠償を命じた一審判決を支持し、市側の控訴を棄却した大阪高裁判決が確定する。

 上告しなかった理由について、松井一郎市長は「慰謝料を請求された金額も減額されているし、我々の主張も一部認められている。もうここで終了させようと決定をした」と述べた。一方、原告の一人、河野英司さん(57)は「市はひげをそることを強要し、違法な査定をしたことについて謝罪してほしい」とコメントを出した。

 高裁判決では、男性職員がひげを生やすことを禁じる市交通局の「身だしなみ基準」について、ひげが社会で広く肯定的に受け入れられているとは言えず、「一応の必要性・合理性がある」と指摘。その上で、基準が拘束力を持つことは「合理的な制限とは認められない」と判断し、ひげを人事評価の減点対象とするなどしたのは裁量権を逸脱しているとした。