大日向寛文、兼田徳幸、小山裕一
26年ぶりに国内で豚コレラの発生が確認され、丸1年。豚へのワクチン接種に消極的だった農林水産省が、方針を転換して実施を決めた。関係者には安堵(あんど)が広がる一方、「遅すぎる」との声も上がる。実際の実施までにも課題が残されている。
「国はこれまで本腰を入れてこなかった」と批判するのは、愛知県の養豚施設として初めて豚コレラの感染が確認されたトヨタファーム(豊田市)の鋤柄雄一さん(50)だ。「関東や九州の大生産地に感染しないとワクチン接種にならないのではないかと思っていたが、やはりそうだった」
実際に、方針転換は今月13日の埼玉県での発生が引き金になった。
江藤拓農林水産相は実施を発表した20日の会見で、「(感染が確認された)地域が広がったからという単純なものではなく、総合的な判断だ」としながら、「関東という飼育頭数の多い地域に広がってしまうという懸念もある」と語った。「埼玉のように周りでイノシシが確認されていなくてもポンと発生してしまった」と、これまでに講じてきた野生イノシシを中心とした対策の限界も口にした。
大きく舵(かじ)を切った農水省だが、実施には二つの課題がある。まずは、ワクチン接種が徹底できるかだ。
ワクチンは、感染の可能性があ…
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朝日新聞社会部