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 米スリーマイル島原発(ペンシルベニア州)が20日、営業運転を終了した。同原発は2号機(加圧水型)が40年前に炉心溶融事故を起こした後も、1号機(同)が運転を続けていたが、採算の悪化で閉鎖を余儀なくされた。今後、60年をかけて廃炉にしていく。

 1974年に営業運転を開始した1号機は2034年までの運転許可を取っていたが、再生可能エネルギーの普及や天然ガス価格の低下で採算が悪化。運営する電力大手エクセロンが州政府に、温室効果ガスを排出しない電源としての優遇措置を求めていたが、実現しなかった。ブライアン・ハンソン上級副社長は「州が、この安全で信頼できる炭素排出ゼロ電源の運転継続を支援してくれないことを残念に思う」とコメントした。

 エクセロンが米原子力規制委員会に提出した計画によると、1号機は使用済み核燃料を炉心から取り出してから廃炉作業に着手するが、当面は放射能レベルが下がるのを待つため、冷却塔や建屋の解体が終わるのは79年の予定だ。費用は1号機だけで10億ドル(約1千億円)以上かかるとしている。

 1979年に事故を起こした2号機は、溶けた燃料はほとんど取り出されているが、1号機の運転停止を待って廃炉にする予定で、建屋や冷却塔は残っている。2号機を所有するファーストエナジー社は2041年に解体を始め、53年に終えるとしている。(ニューヨーク=香取啓介)

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 〈スリーマイル島原発事故〉 1979年3月28日、2号機で給水ポンプが動かなくなり、原子炉が緊急停止したことをきっかけに起きた事故。人為ミスが重なって原子炉を冷やす冷却水が流出したことで炉心が露出して一部溶融し、放射性物質を含む汚染水が建屋内に漏れた。国際的な事故評価尺度(INES)では、最悪レベルである旧ソ連のチェルノブイリ原発、福島第一原発のレベル7に次ぐレベル5。