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 奈良県斑鳩(いかるが)町の法隆寺金堂の極彩色壁画(7世紀)の多彩な模写や、日本古代彫刻の最高傑作の一つとされる国宝の百済(くだら)観音(同)などが公開される特別展「法隆寺金堂壁画と百済観音」(東京国立博物館、法隆寺、朝日新聞社など主催)が来年3月から、東京・上野の東京国立博物館で開かれる。寺と博物館などが24日発表した。

 百済観音は1997年にパリのルーブル美術館でも展示されたが、98年に境内に百済観音堂が完成し、安置されてからは事実上「門外不出」だった。東京での公開は23年ぶり。

 法隆寺金堂は、飛鳥時代の仏教文化を今に伝える殿堂。飛鳥仏の典型とされる釈迦三尊像(しゃかさんぞんぞう)など多数の仏像が安置され、壁には世界的な仏教美術の遺産とされる仏教絵画が描かれていた。しかし、1949(昭和24)年1月26日に起きた火災で壁画は色を失い、写真のネガのようなモノクロ画像になった。特別展は、今私たちが目にすることのできる仏教美術から、焼損前の金堂の姿に迫ろうという大胆な試みだ。

 金堂内の外側(外陣(げじん))の壁に描かれていた12面の仏像壁画は、釈迦(しゃか)・阿弥陀(あみだ)・弥勒(みろく)・薬師(やくし)を中尊とする三尊仏の大壁4面と、単体の菩薩(ぼさつ)を描いた小壁8面からなる。インドのアジャンター石窟(せっくつ)や中国甘粛省の敦煌莫高窟(とんこうばっこうくつ)に描かれた壁画と並ぶ、世界的な仏教美術として知られる。

 法隆寺は火災後、境内に収蔵庫を新築し、焼けた柱と壁画を堂内にあったときと同じ配置で組み立てて安置した。のちに、焼損壁画は国の重要文化財に指定された。火災の翌年には文化財保護法が制定され、火災の起きた1月26日が55(昭和30)年から「文化財防火デー」となった。

 実は火災を免れた壁画もあった。仏像を安置する内陣(ないじん)の上部に描かれた「飛天(ひてん)」だ。飛天とは、とくに仏教美術で空中を飛び、音楽を演奏する天人・天女のこと。火災当時、金堂は解体修理中で初層(1階)だけの状態で、20面の飛天図は金堂外で保存されていたため難を逃れた。一方で、外陣の壁の上部を飾っていた山中羅漢(さんちゅうらかん)図(山の中で修行する僧侶たちの図像)は、復元ができないくらいバラバラになった。

 焼損壁画は原則非公開とされて…

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