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 毎年恒例の世界最大規模のビール祭り「オクトーバーフェスト(10月祭)」が21日、ドイツ南部ミュンヘンで10月6日までの日程で始まった。気候変動の議論の高まりもあり、再生可能エネルギーの利用などを通して、「環境に優しい祭り」をアピールしている。

 42ヘクタールの敷地に建てられた14の巨大テントが主な会場。正午にミュンヘンのディーター・ライター市長が最初のたるを開いて開会を宣言すると、民族衣装で着飾った大勢の人たちが次々と「マス」と呼ばれる1リットルのジョッキに入ったビールを飲み干した。期間中、世界中から約600万人の人出が見込まれている。

 期間中はエネルギーの利用や二酸化炭素(CO2)の排出も普段より増える。そのため、主催者によると、世界の森林保護プロジェクトへの投資などを通して、CO2排出を相殺する取り組みをしている。会場では自然エネルギー由来の電力を使うほか、再利用できる食器やジョッキを使うなどしており、過去10年でごみの量は約3分の1に減ったという。ビールジョッキを洗う水もトイレの洗浄に使って節約している。

 オクトーバーフェストでは、鶏肉のグリルやソーセージなどを食べながら、ビールを味わうのが一般的だ。だが最近は、卵や乳製品なども含めた動物性食品を避ける「ビーガン(完全菜食主義者)」向けの料理も増えている。

 毎年、オクトーバーフェストに来ているというベルリン在住のシシリア・トゥーンさん(33)は「ビーガンが楽しめる料理が増えてうれしい。ドイツ全体の傾向が反映されている」と話す。ドイツ南部では、ひき肉に香辛料を混ぜて焼いた「レバーケーゼ」と呼ばれる食べ物が好まれるが、シシリアさんは大豆由来のレバーケーゼを食べていた。「風味もあり、とてもおいしい」と話した。

 有機食品を増やしたり、自然エネルギーを導入したりする費用も反映され、会場でのビールの値段は年々、上がっている。今年は1リットルあたり10・8~11・8ユーロ(約1270~1390円)で、昨年より約3%高いという。(ミュンヘン=野島淳)