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 若手指揮者の登竜門として世界的に知られるフランスのブザンソン国際指揮者コンクールの決勝が21日にあり、青森県出身の沖澤のどかさん(32)が優勝した。日本人の優勝は、2011年の垣内悠希さん以来で、8年ぶり。

 同コンクールは2年に1回開かれており、1959年に小澤征爾さん、89年に佐渡裕さんらが優勝している。今年は270人が応募し、20人が本選に進出。そのうちアジアの国・地域の出身者が8人を占めた。沖澤さんは、中国人とフランス人とともに決勝に臨んだ。オーケストラと観客が選ぶ「オーケストラ賞」と「観客賞」にも選ばれた。

 沖澤さんは、東京芸術大の指揮科を卒業後、4年前に独ベルリンのハンス・アイスラー音楽大に留学。現地を拠点に活動している。昨年は、アジアの若手の登竜門「東京国際音楽コンクール〈指揮〉」で女性で初めて優勝した。(パリ=疋田多揚)

沖澤のどかさんがコメント

 沖澤さんは「栄誉ある賞をいただいたことはもちろん、全てのラウンドで素晴らしい経験をさせていただきました。大変なのはこれからだと思いますが、自分のペースで努力を続けます」とコメントしている。

日本人優勝者、小澤征爾さん以降10人に

 ブザンソン国際指揮者コンクールは、今回が56回目の開催となる。1951年の創設時から毎年開かれていたが、93年以降は隔年となった。日本人の優勝者は59年の小澤征爾さんから沖澤さんまで計10人。沼尻竜典さんや山田和樹さんら、多くの才能を発掘している。女性では82年の松尾葉子さん(現・セントラル愛知交響楽団特別客演指揮者)に次いで、沖澤さんが2人目だ。

 沖澤さんが師事した広島交響楽団音楽総監督、下野竜也さんも2001年、同コンクールで優勝している。教え子の優勝を「ずば抜けた才能。昨年の東京のコンクールでの優勝といい、まさに開花しているところですね」と喜ぶ。

 このコンクールは、予選から映像ではなく、実際の指揮を見て審査する。短時間で自分の目指す音楽を伝えるコミュニケーション能力が試される。「鋭敏な耳を持ち、自然体でありつつ感情豊かな沖澤さんは、すぐにオーケストラともいい関係を築けたことでしょう」と下野さんは語る。

 下野さんは、日本人の優勝者が目立つのは小澤征爾さんの存在が大きいという。「あの小澤先生が優勝されたコンクールとして特別。日本人が目指す場所になるのは当然だと思います」(西正之)