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 今月下旬に妥結する見通しの新たな日米貿易協定の交渉で、日本が求めていた自動車部品の関税削減について、継続して協議する方向で最終調整していることがわかった。乗用車も継続協議となる見通しで、部品を含めて自動車分野では早期に関税が引き下げられない可能性が出てきた。

 日米首脳が米ニューヨークで25日に開く会談で、貿易協定書案に署名する方向だ。秋の臨時国会で承認されれば年内にも発効する。関係者によると、自動車分野の関税については、「さらに交渉した上で撤廃」すると文書に明記する方向で調整している。

 日本の自動車メーカーは米国での現地生産を進めているが、2018年の輸出額は4兆5241億円(174万台)。自動車部品の輸出額9294億円との合計額は、対米輸出額の約35%を占め存在感は大きい。

 米国は離脱前の環太平洋経済連携協定(TPP)での合意で、乗用車の関税(2・5%)を25年かけて撤廃し、自動車部品は8割以上の品目(主に2・5%)を即時撤廃するとしていた。日本は今回の交渉でこのTPP並みの関税引き下げを求めてきた。

 米国が要望した牛肉や豚肉の関税引き下げについては、TPP加盟国と同じ税率に直ちに下げることが決まっており、今後の自動車の協議が長引けばバランスを欠く恐れがある。

 日本はまた、今回の交渉でトランプ氏がちらつかせてきた日本車への追加関税の回避をめざしてきた。これを担保するため、首脳会談の合意文書に、関税撤廃への議論中は米国は追加関税や輸出数量制限をしないとの文面を盛り込みたい考えだ。だが、実現したとしても、トランプ氏の強引な理屈をつけて交渉を有利に進めようとするリスクは残りそうだ。(野口陽、金成隆一)