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 地球温暖化を食い止めようと、各国の首脳が参加する国連の気候行動サミットが23日(日本時間23日深夜)、米ニューヨークで開かれた。欧州各国や中国、インドなど約60カ国が順次登壇、温室効果ガスの排出削減の目標の積み増しなどを発表した。一方、米国や日本には登壇機会が設けられず、温度差が浮き彫りとなった。

 グテーレス事務総長は、「我々の世代は地球を守る責任を全うできなかった。競争に負けつつある『気候非常事態』だが、勝つことはできる」と発言。「話すためではなく、交渉するためでもなく、行動するためのサミットだ」と述べた。

 グテーレス氏は温暖化対策の国際的な枠組み「パリ協定」の採択以降も温室効果ガスの排出が増え、このままでは世界の平均気温の上昇を産業革命前の2度未満、できれば1・5度未満に抑えるという協定で掲げる目標を達成出来ないと憂慮。対策を強めるために、▽2050年までの温室効果ガスの実質排出ゼロ、30年までに同45%削減▽20年以降の石炭火力発電の新設中止▽化石燃料補助金の禁止▽排出に税金を課す炭素税の導入――などを各国に求めていた。

 サミットではインドのモディ首相やマクロン仏大統領、ジョンソン英首相をはじめ60カ国以上の代表が順次登壇。メルケル独首相は30年までに温室効果ガスの排出を55%減らすための新たな対策を語った。英国や欧州連合、チリなどは50年の実質排出ゼロを宣言する見通しだ。アルゼンチンやコスタリカ、フランスなども、30年までの削減目標を来年までに提出することを明らかにする。

 世界最大の温室効果ガス排出国である中国は習近平(シーチンピン)国家主席の代理で、王毅(ワンイー)国務委員兼外相が演説する。温暖化対策の加速を約束する予定だが、「一帯一路」の開発投資で海外の石炭火力に支援しているとの批判もある。

 一方、世界第2位の排出国の米国はパリ協定の離脱を宣言している。トランプ大統領は登壇の機会は設けられていなかったが、議場に一時姿を見せた。サミットと同じ時間帯にニューヨークで「宗教の自由」の催しや、二国間会談を行う予定だ。ホワイトハウス高官は「我々は二国間関係を重視している。個人間の外交が大統領の強みだ」と国連の多国間外交と距離を置いていた。

 日本は削減目標の上積みなどの表明はなく、小泉進次郎環境相が会場に入ったが、登壇の機会は設けられていない。(ニューヨーク=香取啓介)