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 不動産会社が賃貸用の物件をオーナーから借り上げる「サブリース契約」をめぐり、全国の不動産オーナー約3万人への支払いに消費増税分を上乗せしなかったとして、公正取引委員会は24日、不動産管理会社の大東建託パートナーズ(東京)に消費税転嫁対策特別措置法違反(買いたたき)で勧告を出し、発表した。未払い分は推定で約30億円に上り、同法の施行以来、過去最高額という。

 発表によると、同社は、駐車場や事務所用ビルを一括で借り上げて転貸するサブリース契約を個人や法人のオーナーと結び、その物件を利用者に貸し出して得た収入から管理費を差し引いた金額をオーナーに支払っていた。

 しかし、消費税が5%から8%に上がった2014年4月以降、同社は自ら受け取る管理費を増税に合わせて値上げする一方、オーナーへの支払額には本来必要な増税分を上乗せしていなかった。同社が利用者から受け取る賃貸料は据え置きだったため、オーナーへの支払いは実質的に減額されたかたちになっていた。公取委の調べに対し、同社は「違反だと気づかなかった」と説明したという。

 サブリース契約をめぐっては、個人のオーナーを中心に「賃料を一方的に減額された」「契約解除をしたくてもできない」といった不動産会社とのトラブルが相次いで表面化している。ただ、借地借家法では借り主の不動産会社の権利が保護されるため、貸主側が守られにくい。このため公取委の担当者は、「オーナーのほとんどは個人事業者で、サブリース契約では往々にして弱い立場に立たされる。本件事案を契機に業界全体に良い影響を与えられることを期待する」と話した。

 また公取委は、同社の親会社である大東建託(東京)についても、自社が使用するために借りた事務所や駐車場の賃料に消費増税分を上乗せしていなかったとして、貸主約140人への上乗せ分約1200万円を払うよう勧告した。

 大東建託は「公取委の処分を厳粛に受け止め、グループ全体で再発防止に取り組む」とコメントした。(中野浩至)