「フェイフェイだったかな?」駄菓子屋に迫る電子マネー

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竹井周平 千葉卓朗
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 「おまけ付き」は、8%か10%か。10月1日に迫る消費増税で、駄菓子業界が軽減税率を巡って頭を抱えている。昭和の面影が色濃く残る日本有数の駄菓子問屋街、名古屋・明道(めいどう)町を訪ねた。

 名古屋城のほど近くにある名古屋市西区の新道(しんみち)地区。江戸時代、駄菓子作りの内職にはげむ武士が多かったことから駄菓子屋が集まったと言われる地区だ。名古屋は結婚の際、新郎新婦の自宅周辺で菓子をまいて祝う「嫁入り菓子」という伝統行事も盛んで、1950~60年代ごろには100軒以上の駄菓子問屋が集積。今も十数軒の駄菓子と玩具の問屋が点在し、かつての地名「明道町」という呼び名で親しまれている。「嫁入・行楽 調整致します」「袋詰菓子承ります」。年季の入った宣伝文句が大きく書かれたのれんを掲げる店先には、ひっくり返した日本酒のケースを並べた土台が設けられ、菓子が詰まった段ボールが山積みにされている。時代が令和に移り変わっても、昭和の光景が色濃く残る。

 そんな街並みを進み、横道に少し入ったところにある玩具問屋「堀商店」。夏祭りの縁日に出るスーパーボールや金魚すくいのスティックなど約1万種類の玩具やお菓子が天井に届くほどびっしりと陳列された店内で、最も目を引くのが、この時期の目玉商品「ハロウィーン詰め合わせ」だ。オレンジ色のカボチャのカップや白いお化けがプリントされたバッグに数種類の駄菓子を詰めた商品。全部で約60種類あり、価格は100円台~1千円台。子ども会や英語塾のイベント、ママ友のパーティーのほか、展示場の客への配布用に購入する企業などが主な販売先だ。

 この「詰め合わせ」の消費税率は、8%なのか10%なのか。軽減税率の適用を巡り、堀貴雄社長(60)は悩み続けてきた。「はっきり言って、大混乱ですよ」

 10月から消費税率が10%…

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