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 ニホンザルの餌付けをしている静岡県南伊豆町伊浜の観光施設「波勝崎苑(はがちざきえん)」が今月末で休園する。入園者の減少で経営継続が難しくなったため。最盛期には40万人を超す観光客を集め、伊豆でも有数の名所だった時期もあったが、開園から62年でいったん幕を下ろす。事業を継承する企業を探すという。

 地元の伊浜区住民を株主とする株式会社「波勝崎苑」(斎藤要社長)が運営している。飼育中のサルと野生のサルあわせて約300匹がおり、人のすぐそばまで近づいてくる。

 住民の一人が野生ザルの餌付けに成功したことがきっかけで1957年に開園した。間近で見られることや餌やりできることが人気を呼び、70年代には最高で年間46万人の入園者があった。群れのボスが交代すると首相が代わるという偶然が続き、話題になったこともある。バブル崩壊後は入園者がしだいに減少、昨年は2万人にまで落ち、経営も赤字になっていた。サルが農作物を荒らす心配があることから、休園後も餌やりは続けるという。

 斎藤社長は「経営が苦しくなって宣伝もできず、さらに入園者が減る悪循環になっていた。傷が大きくならないうちに休園することにした。苑を引き継いでくれる会社を見つけてサルたちが暮らしていけるようにしたい」と話している。(石原幸宗)