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 トランプ米大統領が、バイデン前副大統領の息子に関する疑惑を調べるようウクライナ政府に圧力をかけたとされる問題で、野党・民主党のペロシ下院議長は24日、トランプ氏の行為が弾劾(だんがい)にあたるかどうか正式に調査を始めることを決めた。

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 弾劾の行方は、2020年大統領選の行方に影響を与えそうだ。

 民主党は、トランプ氏が同党の候補者指名争いでトップを走るバイデン氏にダメージを与えるため、大統領の権限を使い外国首脳に圧力をかけたとの見方を強めている。党内から弾劾調査を求める声が強まり、ペロシ氏の決断を後押しした。

 バイデン氏は24日の記者会見で「個人の利益より、国家の利益を優先しなければならないという大統領の誓約の中核に一撃を与えるものだ」と、トランプ氏を強く攻撃している。

 しかし、トランプ氏が守勢に回るとは限らない。トランプ氏には、バイデン氏のスキャンダルを批判し続けることでバイデン氏の支持を下げる狙いがある。また、自身が罷免される可能性は低いことから、政策そっちのけで弾劾に走る民主党への批判を強め、自身の支持層を怒らせて支持拡大につなげる思惑もある。

 米国世論は深く分断しており、トランプ氏の支持層と「反トランプ」層は固定化しつつある。選挙戦のカギを握るとされる、トランプ氏に距離を置く穏健保守層や中間層が、弾劾をめぐる攻防や混乱をどう受け止めるかがポイントになる。(ワシントン=土佐茂生、香取啓介)