プロ野球・巨人の阿部慎之助捕手(40)が25日、都内で記者会見を開き、今季限りでの現役引退を正式に表明した。「400号(本塁打)も打てたし、坂本勇がキャプテンになって初めて優勝できたので、僕も荷が下りた」と決断の理由を語った。
記者会見場の報道陣には球団から背番号「10」のレプリカユニホームが配られた。全員が着用した後に、チームカラーのオレンジ色のネクタイを締めた阿部が登場。「ありがとう。みんな、Tシャツ着てくれて」。しんみりしがちな引退会見は、笑顔で始まった。
阿部は会見の冒頭で、前日の甲子園球場での打席を振り返った。
九回、代打で出た際に阪神ファンからも起こった「慎之助」コール。全球直球勝負を挑んで来た藤川に対し、フルスイングで応えて空振り三振に倒れた後、阿部はヘルメットのつばに手をやり、目礼を送った。
「みなさんの慎之助コール、本当に感動しました。粋な計らいをしてくれた矢野監督、藤川選手にこの場を借りて御礼申し上げます」
引退を決意したのは5年ぶりのリーグ優勝を果たした翌日の22日。ヤクルト戦(神宮)の練習前に原監督と話し合った。「原さんがいなかったら、僕はここまでなっていない。僕の将来のことを、僕以上に考えて下さった」。プロ1年目の2001年、当時ヘッドコーチだった原監督が長嶋監督へ、阿部の開幕マスクを進言して始まったプロ生活。終止符を打つときも、原監督の意見を求めた。
投手を支え、野手に守備位置…