拡大する写真・図版 会合で中間報告案をまとめる検証委員会の委員たち。右端はオブザーバーとして出席した愛知県の大村秀章知事=2019年9月25日午後、愛知県庁、川津陽一撮影

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 テロ予告や脅迫を含む抗議を受け、中止に追い込まれた「表現の不自由展・その後」について、愛知県の大村秀章知事は検証委員会の指摘を踏まえ、再開を目指す意向を示した。ただ、安全確保や展示方法の見直しなど再開に向けた課題は山積している。

 「表現の不自由展について再開を目指したい。続行することが本来の姿。本来の姿を目指したいということだ」。25日夕、芸術祭実行委会長の大村氏は県庁内で急きょ開いた記者会見でこう述べ、10月14日の期日までの再開に強い意欲を見せた。

 会見に先立ち、愛知県の検証委は中間報告をまとめ、再開について、物議をかもした一部の作品の展示方法などを見直すなどの「条件」を提示。検証委を「検討委」に改め、条件のクリアに向け、不自由展の実行委員会や作家らと協議を進め、再開への地ならしを図ることにしている。

 8月3日の中止判断から50日余り。再開への判断にあたり、大村氏を後押しした一つが、抗議電話への対応にメドがついたことだ。県庁などには8月中に1万379件の抗議が殺到した。大村氏は電話での攻撃(電凸(とつ))への対応策を記した週刊誌の記事に関心を示し、職員に研究を指示。この日の会見で、専門窓口の電話を設け、機械で自動的に対応し、通話が10分を経過すると切れる仕組みを導入したと説明。さらに、電話の内容次第で「業務妨害」として途中で切ることにも理解を見せた。

 検証委が中止に対する海外アーティストの反発を取りあげたことも再開判断につながった。会見で大村氏は「海外の皆さんに検閲ととられてしまうと、今後の芸術祭、展覧会に大変な影響がある」と強調し、再開への理解を求めた。

 一方、芸術祭実行委の会長代行を務める河村たかし・名古屋市長は、大村氏の方針について「とんでもないことだ。知事が勝手にやめて勝手に始める。愛知県民の意思はどうなるのか」と批判した。

 県庁内にはかつて「盟友」関係にあった河村氏と大村氏の「関係悪化」が背景にあるとの見方もある。展示中止を求めた河村氏に対し、大村氏は表現の自由を保障する憲法21条に反すると批判し、両氏がいがみ合う状況が続く。名古屋城の木造天守などをめぐり両氏は対立し、両氏の「応酬」が目立っている。(岩尾真宏、堀川勝元)

■検証委の中間報告、津田氏…

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