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 発達障害のある子の子育てに、父親は「自分ごと」として関わってほしい――。コミュニケーションや学習に困難を抱える発達障害児の父親向けに、NPO法人が冊子「パパのための発達障がい児ブック」をつくった。障害のため、より丁寧な関わりが必要な子育てを母親任せにしてはいけない、との思いからだ。

 作成の中心を担ったNPO法人ファザーリング・ジャパンの橋謙太さん(50)=東京都稲城市=は、高2の長女が発達障害の当事者で、育て方や進路選びに悩んできた。父親たちの発達障害への理解を広めようと、5年前に「メインマン(親友)プロジェクト」を立ち上げ、勉強会やイベントを開いてきた。

 しかし、各地での活動のさなか、孤立した母親たちの声が寄せられた。「夫が何もしてくれない」「学校に相談する必要はないと夫に言われたが、どうすればいいのか」。他の子との成長の差や親類からのプレッシャーなどに悩むうえ、夫から育児を任せきりにされることが、母親たちのストレスになっていると感じた。父親の気づきのきっかけになればと冊子をつくり始め、9月に完成した。

 主な対象は、小学校低学年までの子がいる家庭。まず、保育園や幼稚園に行って子の様子を見たり、保育士や先生と気になることを話したりするよう呼びかけた。子との関わりでは、小さなこともほめるほか、「きちんとしなさい」といった抽象的な言葉を避けることが大切だと記した。

 小学校就学では通常学級のほか、ふだんは通常学級に在籍しながら障害に応じた教育も受ける通級、少人数で学習する特別支援学級などの選択肢があることに触れ、夫婦で話し合って決めるよう助言した。先生と話し合う点として「席の配慮」「他の保護者に障害を説明する機会の検討」などを挙げた。読みやすさを優先し、内容は基本的な情報にとどめている。

 橋さんは「他人事にせず、父親も一緒に悩んでほしい。学校や地域に関わることは自分自身の豊かな生活にもつながる」と話す。冊子は10部3千円(送料込み)で郵送できる。問い合わせはメール(fjmainman@gmail.com)で。(根岸拓朗)