このまま地球温暖化が進むと、農業生産や暑さによる死亡、労働生産性、災害などの経済的な被害は、今世紀末には世界のGDPの9%近くに上る可能性がある。こんな推計を国立環境研究所や茨城大、京都大などの研究グループが、英科学誌ネイチャー・クライメート・チェンジで発表した。
温室効果ガスの排出量と社会経済状況の二つのシナリオを組み合わせて、農業生産性、飢餓、暑さによる死亡、洪水、海面上昇など9分野について被害額を推計した。
このままのペースで温室効果ガス排出量が増え、技術革新が進まない悲観的なシナリオでは、今世紀末の世界の被害額は5・5兆~12・1兆ドル、GDPの3・9~8・6%に上った。
一方、パリ協定に従って産業…