千葉の小3女児殺害 被告側、控訴審で改めて無罪主張
2017年に千葉県松戸市のベトナム国籍の小学3年生レェ・ティ・ニャット・リンさん(当時9)が殺害された事件で、殺人や強制わいせつ致死などの罪に問われ、一審・千葉地裁で無期懲役判決を受けた元保護者会長の渋谷恭正被告(48)の控訴審が26日、東京高裁で始まった。検察側は改めて死刑を求め、弁護側は無罪を主張した。
一審の裁判員裁判は、被告の車2台の車内にあった床マットやネクタイからリンさんのDNA型が検出されたなどとして犯人と認定。ただ殺害については計画性がなかったとして死刑を回避した。
控訴審で弁護側は改めて被告が犯人ではないとした上で、DNA型鑑定の対象となった被告のたばこの吸い殻の採取方法について言及。捜索令状を得ずに被告のマンション私有地に無断で侵入してゴミ集積場から持って行った捜査には重大な違法があり、鑑定結果は証拠から排除されるべきだと主張した。
一審判決によると、渋谷被告は17年3月24日、登校中のリンさんを軽自動車で連れ去り、わいせつな行為をした上で首を圧迫して窒息死させ、同県我孫子市に遺体を捨てたとされる。
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父親のレェ・アイン・ハオさん(37)はこの日、「裁判(控訴審)では真実を見てもらい、正しい判決を出して欲しい」と語り、公判を傍聴。閉廷後に会見を開き、「朝、同級生が学校に行くのを見てると、どうして今リンちゃんが学校に行けないかって……」と声を詰まらせた。(阿部峻介、寺沢知海)
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