【動画】初タイトルを獲得した木村一基九段=村瀬信也撮影
[PR]

 豊島将之王位(29)に木村一基九段(46)が挑戦する将棋の第60期王位戦七番勝負(新聞三社連合主催)の第7局は26日、東京都千代田区で2日目が行われ、木村九段が110手で勝って4勝3敗とし、タイトルを奪取した。46歳3カ月での初タイトル獲得は、有吉道夫九段(84)の37歳6カ月を上回る最年長記録。

 午後6時44分、豊島王位が投了を告げると、報道陣が対局室になだれ込んだ。木村九段は「(七番勝負を通して)うまく指すことができた。うれしい」と、顔を震わせながら絞り出すような声で語った。

 感想戦の後、改めてインタビューが行われた。「結果が出せて大変うれしい。一生懸命やった結果で、(勝てたのが)なぜかはわからない」と笑みを浮かべながら話した。家族への思いを問われると、眼鏡を外して手ぬぐいで涙をぬぐい、「家に帰って伝えたいと思います」と答えた。

 木村九段は名人挑戦権を争うA級順位戦に所属し、全棋士が参加する朝日杯将棋オープン戦の優勝経験もあるトップ棋士。だが、タイトル戦は2005年の初挑戦から6度経験しながら、獲得には至っていなかった。「千駄ケ谷の受け師」「将棋の強いおじさん」などの愛称で知られ、ファンの人気も高い。

 3年ぶりのタイトル戦となる今回の王位戦は、第1局から2連敗する苦しい展開だったが、第6局を制して3勝3敗のタイに持ち込んだ。第7局は、豊島王位が得意とする角換わりになったが、木村九段が大勝負を制した。

 豊島王位は5月に名人を獲得したが、7月に棋聖を失っている。タイトル初防衛を狙ったが、果たせなかった。