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 最高裁の判断を受けて再開された英議会で、ジョンソン首相と野党の間の応酬が激しくなっている。10月末の欧州連合(EU)離脱をめぐり、野党が成立させた延期法を「屈辱法」などと呼ぶジョンソン氏に対し、野党側も強く反発し、双方が議長から諭される事態となった。

 議会は当初、ジョンソン氏が5週間閉会させていたが、最高裁から「違法で無効」と判断され、25日に再開された。米ニューヨークで開かれている国連総会から急きょ戻ったジョンソン氏は同日の演説でまず「本質的に政治の問題について意見した最高裁は間違っている」と批判を展開した。

 また、「議会は政府とEUとの離脱交渉を妨害している」と主張。野党が中心になって成立させた離脱延期法を「(EUへの)降伏法」「服従法」と呼び、反発を受けると「では屈辱法と言った方がましか」などとあおった。

 野党側からは、首相から「国賊扱い」されることで脅迫や殺害予告を受けているとして、言葉を慎むよう求める声が相次いだ。こうした言動が、EU離脱を決めた3年前の国民投票直前、残留を訴えていたコックス議員が極右の男に殺害された事件を想起させるとの指摘もあった。ところが、ジョンソン氏は「コックス氏に敬意を表する一番の方法は、離脱を完了させることだ」と反論し、議場はさらに騒然となった。

 下院のバーコウ議長は26日の議会の冒頭、議場の空気は「私が知る限り最悪で有毒」と発言。「声のボリュームを下げ、互いを敵視しないで欲しい」と求めた。(ロンドン=下司佳代子)