「私の人生の最大の心残りは、日本語をマスターしなかったこと」。大統領在任中のシラク氏に、パリ特派員としてインタビューした時の言葉が耳に残る。

 「日本好き」では、群を抜いた。それも趣味の水準ではない。日本の古代・中世の文学や美術の博識ぶりには専門家も舌を巻いた。来日時に桃山時代の屛風(びょうぶ)の由来について一席ぶったなど、逸話に事欠かない。

 文化教養のたしなみは仏大統領の必須要件。加えてシラク氏の場合、飾らない物言いで庶民にも愛された。社会階層や主義信条を超え、広く敬愛を集めた最後の「国父」といえた。

 ドゴール元大統領の系譜を引く…

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