【動画】高速道路で作業員を守る「伸縮形」作業車両=中日本高速道路提供
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 高速道路の工事現場で働く作業員を事故から守るため、車体が伸びて「鉄の壁」となる作業車が登場した。愛知・岐阜・三重の東海3県の工事現場で年末から使われる予定だ。

 中日本高速道路が開発し、全長約16メートル、幅2・5メートル、重さ約25トン。「保護ビーム」と呼ばれる高さ1・2メートル(防護ネットを付けると高さ1・8メートル)、全長約10メートルの部分が伸縮し、作業時は車体全体で約23メートルの壁になって工事現場を囲む。衝突を和らげる装置も備え、作業員は車が突っ込む事故から守られ、安全に工事を進められるという。設計上は、保護ビームに10トントラックが時速80キロで衝突しても耐えられるという。

 開発のきっかけは、2017年8月に岐阜県多治見市の中央道で停車中の工事車両に大型トラックが突っ込み、男性作業員1人が死亡したほか、別の作業員やトラック運転手、高架下の国道を走っていた車の運転手ら計8人が負傷した多重事故だった。

 中日本高速が管理する高速道路の工事現場では、事故が年々増えている。昨年度は人身事故と物損事故を合わせて149件あり、16年度の3倍以上にのぼる。

 中日本高速によると、作業員を車から守る車両は米国ですでに活用されているが、国内では初めて。工事用車両の製造を専門とする東邦車両(横浜市)との共同開発で、製作費は1台約4千万円。工事現場での運用状況をみながら量産も検討していくという。(佐藤英彬)