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 世界的に深刻化する気候変動への取り組みを強化しようと、壱岐市が「気候非常事態宣言」をした。2050年までに再生可能エネルギーに完全移行し、二酸化炭素の排出量をゼロにすることなどを盛り込む。3年前に豪州で初実施され、欧米などに広がる同宣言は、市によると、国内の自治体では初めて。

 25日の市議会で、同宣言に関する議案が可決された。宣言は、地球の温暖化によって猛暑や集中豪雨などが発生し、市内でも災害や水不足、藻場の減少で基幹産業の漁業に深刻な影響が出ていると指摘。市内で利用するエネルギーを今後、化石燃料から地域資源に由来する再生可能エネルギーに移行したり、ごみの排出抑制や再生を促進したりすると明記した。

 同市は近年、低炭素社会の実現に取り組む。昨年度に内閣府が始めた「SDGs(エスディージーズ)(持続可能な開発目標)未来都市」にも県内で唯一選ばれた。今夏、同宣言の実施を呼びかけているNPO法人「環境経営学会」(東京)から提案を受けたのが、宣言のきっかけだった。同市SDGs未来課は「宣言で改めて市のめざす将来像を市民と共有したい」と言う。

 同宣言は16年12月、豪州・デアビン市が初めて行い、ロンドンやパリ、ニューヨークなど各地に広がっている。50年ごろに二酸化炭素排出量をゼロにする目標は、国内では東京都や横浜市、京都市も掲げている。(小川直樹)