大赤字の官民ファンド元専務、退職金返納 70万円だけ

大日向寛文
[PR]

 92億円の累積赤字を抱える農林水産省所管の官民ファンド「農林漁業成長産業化支援機構(A―FIVE)」を6月に退任した元専務が、投資失敗などの責任をとって退職慰労金の一部を自主返納することが27日、わかった。成果連動がないため、投資の失敗にかかわらず退職慰労金は6年間の勤務で約1400万円だった。返上額は約70万円だけで、報酬制度の欠陥が改めて浮き彫りになった。

 元専務は大手銀行出身。投資失敗への批判が高まるなか、国などA―FIVEの株主は6月の総会で退職慰労金の採決を留保。弁護士事務所に責任の有無の調査を依頼していた。

 関係者によると、この調査で元専務が社外取締役を務めていた投資先に社外秘の情報を漏らしたことが判明。運用低迷を含めた責任として、3カ月間10%の減給を基準に算出した約70万円の自主返納を求めると、元専務が応じたという。

 A―FIVEの役員報酬は国家公務員の制度を参考に決められており、業績連動の規定が無い。今年度下期に業績連動を導入する方針だ。(大日向寛文)