武装勢力との紛争が続くアフガニスタンで28日、任期満了に伴う大統領選の投票が始まった。治安悪化を食い止めるため、安定した政権が樹立できるかが焦点だ。反政府勢力タリバーンは投票所の攻撃を予告しており、治安機関は厳戒態勢を敷いている。
大統領選には18人が立候補。再選を目指す現職のガニ大統領(70)と、現政権ナンバー2のアブドラ行政長官(59)の接戦が予想されている。
朝日新聞の現地助手によると、有権者は投票開始の午前7時前から投票所に列を作った。首都カブール中心部の道路は車爆弾の進入を防ぐため通行が制限され、交差点に武装車両が並んだ。
治安当局は全国に約5千ある投票所に7万人以上の部隊を配置。安全が確保できないと判断した投票所約450カ所を閉じた。タリバーンの出撃拠点と疑われる隣国パキスタンは、アフガン政府の要請で国境警備を強化した。
一方、タリバーンは26日の声明で、選挙は駐留米軍を置く米国の「侵略」の一環だとみなし、「投票所への攻撃」を宣言している。
有権者(18歳以上)の直接選挙で選ばれる大統領の任期は5年。有権者は推計1700万人いるが、選管によると、投票に必要な登録を済ませた有権者は約960万人にとどまる。票の集計には1カ月ほどかかる見通しで、過半数を得る候補がいない場合は上位2人の決選投票となる。
■記者がカブール入り…
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