[PR]

 職場健診や住民健診の尿検査で、「おしっこに血が混じってます」と言われたり、「尿潜血陽性」と判定されたりしたことはありませんか?

 尿に血液が混じることを血尿と言います。血尿すべてが病気というわけではありませんが、腎臓、尿管、膀胱(ぼうこう)、前立腺、尿道という尿の通り道(尿路)に何か病気がある可能性が高いので、精密検査が必要です。

 目で見て赤い、あるいは排尿後に便器が赤いのに気が付いた、下着に血液が付いていたなど、肉眼でも血尿とわかる場合を「肉眼的血尿」と言います。腎臓や膀胱にがんができたときの最初の症状として肉眼的血尿が出現することがあります。また、腎臓や尿管に石(尿路結石)ができたときや膀胱炎、腎盂(じんう)腎炎などの際にも現れます。約100ccの尿に0・1ccの血液が混じると、目で見て赤いのがわかる状態となります。

 肉眼的血尿と言っても、すべてが真っ赤な血液の色をしているわけではありません。時には番茶のような色であることもあれば、排尿の最初の時だけ少し赤いという状態など様々です。

 また、肉眼的血尿と区別しにくいのがミオグロビン尿です。これは、激しい運動の後などに出る茶色や褐色の尿で、筋肉中のミオグロビンが血中に溶け出して、尿中に入ったものです。

 一方、肉眼ではまったくわからないのに、尿検査で血が混じっていることが指摘されることがあり、これを「顕微鏡的血尿」と言います。顕微鏡的血尿も、がんなどの重要な病気の危険信号である場合がありますので注意が必要です。

 住民健診などで使用している尿潜血反応は、顕微鏡的血尿を判定するための簡便法で、尿に試験紙を浸すことによって検査します。尿の中に赤血球由来のヘモグロビンというたんぱく質がある場合、試験紙が変色します。潜血反応の程度は、「-」、「±」、「+」、「++」、「+++」の5段階に分けられ、「+」以上を尿潜血陽性と診断します。

 尿潜血反応が陽性でも必ずしも血液が混じっているわけではありません。尿潜血反応は非常に鋭敏な検査なので、誤差で陽性になることもあります。これを疑陽性(本当は異常がないのに、検査の誤差で異常ありと判定されること)と言います。

 もし、健診の尿検査で潜血反応陽性と言われても、必ず病気が隠れているというわけではありませんので、泌尿器科を受診して、顕微鏡で尿に含まれる白血球や赤血球の数を調べる尿沈渣(ちんさ)という検査を受けて赤血球の存在を確認する必要があります。

 何も症状がないのに尿に血が混じることを「無症候性肉眼的血尿」と言います。これは膀胱がんの重要なサインです。健診やかかりつけの病院で血尿を指摘されたら、泌尿器科医の受診をお勧めします。

 泌尿器科では尿検査のほかにまず超音波検査を行います。超音波検査は簡単に行え、また痛みもなく、がんや尿路結石の有無などさまざまな情報が得られる有用な検査です。もし、何か病気が疑われた場合には、CTやMRI、採血、膀胱鏡などいろいろな検査を行っていきます。

 特に、肉眼的血尿は重要な病気のサインです。病気を早く発見するためには、健診や人間ドックなどによる尿検査が重要です。血尿が見つかった場合には、症状がないからと放っておかず、早めに専門医を受診しましょう。

<アピタル:弘前大企画・知って得する 泌尿器科の話>

http://www.asahi.com/apital/healthguide/hirosaki/(弘前大学大学院医学研究科泌尿器科学講座教授 大山 力)