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 陸上の世界選手権は28日、カタールのドーハで第2日があり、男子100メートル準決勝は、日本記録保持者のサニブラウン・ハキーム(米フロリダ大)が10秒15で1組5着、小池祐貴(住友電工)が10秒28で2組7着、桐生祥秀(日本生命)が10秒16で3組6着に終わり、日本勢初の決勝進出を逃した。五輪では、1932年ロサンゼルス五輪で「暁の超特急」と言われた吉岡隆徳が決勝に進出し、6位に入っている。

 「なんだこりゃ、と思った」。100メートルを走り終えたサニブラウンは、すぐに両手で頭を抱え込んだ。立ち尽くし、苦笑いを浮かべながら記録が表示された電光掲示板を見つめた。

 歴史の扉をこじ開けようと、緊張感が漂う大一番。「けっこう集中していた」はずだったが、スタートで大きく出遅れた。慌てたように走り出してなんとか後半に追い上げたが、及ばない。10秒15で1組5着に沈み、「スタートの音がぜんぜん聞こえなくて。横の選手が動いたから、あって感じで」。中盤から後半は納得の走りだっただけに、やるせない表情だった。

 小池も、スタートにいつもの鋭さがなかった。「最初で全部ダメにしてしまって」。こちらも隣の選手がちらっと動いたのが見えたといい、集中力が損なわれたようだ。最後まで動きが硬く、トップ争いにも食い込めなかった。

 桐生は、前日の予選と同じく好スタートを切って序盤はリードしたが、中盤の伸びがもう一つ。「まだまだ未熟な部分が出た。もっと加速できていたら」と悔やんだ。

 準決勝は各組2着以内、もしくは3着以下の記録上位2人が決勝に進める。今回の決勝進出ラインは10秒11。「9秒台トリオ」の日本勢は、口々に言った。「もったいなかった」(山口裕起)