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 この夏、高校野球ファンだけでなく、多くの人の心に残った星稜―智弁和歌山戦。甲子園をわかせた二つのチームが29日、再び対戦した。甲子園準優勝を果たした星稜の3年生たちにとって、高校最後の公式戦が終わった。

 茨城県で行われている「いきいき茨城ゆめ国体2019」の高校野球(硬式)で、両校が開幕戦に登場した。両校とも、甲子園で活躍した選手や、出場機会の少なかった3年生が中心の先発メンバー。レギュラーの1、2年生は先輩のサポートにまわった。

 星稜の3年生たちは「最後の大会。楽しんでいこう」と試合前に話し合ったといい、安打の相手選手に「ナイスバッティング」と声をかけるなど、終始笑顔の和やかムードで進んだ。

 星稜の先発はエース奥川恭伸君(3年)。この日は最速150キロの直球と切れ味鋭いスライダーで5三振を奪うも、三回に死球や連打などで2点を取られ、四回途中で降板。甲子園の準々決勝でも投げた寺沢孝多君(同)にマウンドを譲った。奥川君は「智弁和歌山は本当に強いチーム。怖さがあった」と話した。

 攻撃では、終盤に粘りを見せた。3点を追う七回、1死から、チャンスメーカーの7番の岡田大響君(同)が右前安打で出塁。内山壮真君(2年)、山本伊織君(3年)が四球や安打でつなぎ、勝負強い打撃が持ち味の東海林航介君(同)の犠飛で1点を返し意地を見せた。試合は1―3で、智弁和歌山が「夏のリベンジ」を果たした。

 甲子園では無安打に抑え込まれた奥川君から、この日は2安打を放った智弁和歌山の黒川史陽(ふみや)主将(同)は「奥川君は甲子園と変わらず、キレキレでした」と話した。

 最後の公式戦を終え、山瀬慎之助主将(同)は「想像以上に最後はあっさりしていたが、この仲間と3年間野球が出来て本当に楽しかった」と振り返った。

 林和成監督は「3年生の最後の姿を目に焼き付けるように見ていた。それぞれが次のステージに向けて進んでいく姿は感慨深いものがある」と締めくくった。

 夏の甲子園でタイブレークの延長14回を戦い抜いた両チームの試合を一目見ようと、球場には約1万人が駆けつけた。入場券を求める列の先頭は、前日の午前11時ごろからできていたという。(岡純太郎)