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 英公共放送局のBBCが、情報番組でトランプ米大統領の「人種差別的な発言」を批判した司会者を「編集指針に違反している」と判断して、局の内外から猛反発を受ける騒動になっている。

 きっかけは、7月にトランプ氏が非白人の議員に放った「もともといた国に帰ったらどうだ」などの発言。これを情報番組で報じたアジア系の女性司会者が自身の体験を元に「人種差別に根付いた発言」と指摘。「この立場の人がこんな発言をして平気なことに多くの人は怒っているはず」と述べた。

 だが、BBCの苦情処理部門は今月25日、このコメントが記者の中立性などを定めた指針を逸脱したと判断。26日には「個人体験を話すことは問題ないが、米大統領の発言の意図やその感想などは、視聴者に判断してもらうべきだった」との見解も公表した。

 これにBBCの記者らが猛反発。「困惑と怒りが広がっている」「BBCは説明すべきだ」などとツイッターに投稿した。27日には約60人の作家や放送関係者らが連名で、判断見直しを求める書簡を公開した。「人種差別発言をした者への批判をジャーナリストに控えさせれば、そういう考え方もあると受け止められかねない」とし、多くの職員からBBCの物言えぬ雰囲気への懸念が寄せられていることも記した。

 BBCによると、女性司会者は今のところ処分を受けていないという。(ロンドン=和気真也)