拡大する写真・図版 反米スローガンが上塗りされたテヘランの旧米国大使館の外壁=9月29日、杉崎慎弥撮影

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 トランプ米大統領の就任以来、対米関係の悪化が続くイランの首都テヘランで、旧米国大使館の壁に長年描かれてきた反米スローガンが消えた。「対話に向けて米国に配慮したのか」と注目されているが、実際は「模様替え」のための一時的なもので、近く反米色をさらに強めたスローガンが登場するという。

 同大使館はイラン・イスラム革命直後の1979年、イランの学生らが占拠し、米国人外交官を人質にする事件が起きた場所で、現在は米国のスパイ活動などを展示する博物館になっている。外壁には顔を骸骨にした「自由の女神像」や「米国に死を」といった反米スローガンが描かれ、占拠事件が起きた11月4日には毎年、反米集会が開かれてきた。

 ところが、9月下旬ごろから、外壁が上塗りされたり壊されたりしたため、ネット上では「イラン政府が米国に配慮したのか」と注目されていた。しかし、現地メディアによると、事件から今年で40年を迎えるのを機に外壁を一新し、反米色をより強めたアートやスローガンを描くという。博物館もより当時に近づけるための改装をする予定で、11月4日までに完成する予定だ。(テヘラン=杉崎慎弥