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 タイで日本語を学びながらアニメーターを目指す双子の高校生が先月末、放火殺人事件が起きた京都アニメーション第1スタジオ(京都市伏見区)を訪れ、持参したイラストを掲げて犠牲者らに祈りを捧げた。いつか自分たちも京アニ作品に携わることが夢だ。

 2人はタイ北部チェンマイのモンフォート高校日本語学科に通う兄のウォンサトーン・ソムケットさん(17)と弟のポンサトーン・ソムケットさん(17)。

 日本のアニメを初めて見たのは中学2年の時。小物や背景まで丁寧に描かれているところにひかれた。「響け!ユーフォニアム」や「けいおん!」などの京アニ作品が特に好きで、登場人物の動きが自然で、実写のように感じられるのが魅力だという。

 「アニメを見ていると楽しい気持ちになる。アニメを作って、他の人にもその楽しさを伝えたい」。ポンサトーンさんは2人がアニメーターを志すようになった思いをそう語る。日本で夢をかなえるため、日本語を学べる高校に進んだ。

 あこがれの京アニのスタジオで起きた放火事件のニュースはタイでも発生直後に流れた。「驚いたし、ショックだった」とポンサトーンさんは言う。2人が学ぶ日本語学科でも事件への関心は高い。8月には学科で京アニ作品に登場するキャラクターを描くイラストコンテストが開かれ、15人ほどが自作を披露した。企画した同校の日本語講師の女性は「京アニを知らなかった人にも京アニのことを知ってもらい、少しでも応援になればと思った」と語る。

 事件現場を見たウォンサトーンさんは「壁が黒く焼け焦げているのを見て、火の強さを感じた。悲しいし、犯人が許せない」。ポンサトーンさんは「絵を描くことは難しいがとても楽しい。好きなことを仕事にできるのは幸せなこと。早くアニメーターになって作品を作りたい」と話した。(山崎琢也)