[PR]

 原爆に親を奪われた子らに生活と教育の場を提供した「広島戦災児育成所」を創設した山下義信(ぎしん)さん(1989年に95歳で死去)が残した日誌や写真などが、遺族から広島市の平和記念資料館に寄贈された。担当学芸員は「『後世に残して』という遺族の思いを伝えていきたい」と話す。

 山下さんは敗戦直後の1945年12月、五日市町(現在の広島市佐伯区)に広島戦災児育成所を開設し、初代所長に就いた。52年5月までに、原爆で親が犠牲になったり親とはぐれたりした孤児ら173人が入所し、うち96人が親子再会、親族引き取りなどで離所した。施設は翌年1月に広島市に移管された。

 今回寄贈されたのは、「炊事日誌」「衛生日誌」など施設の運営に関する資料や、山下さんがのちに施設の歴史をまとめた「育成の若干の記録」、子どもの作品など文書210点、写真データや音声テープなど計465点。昨年10月に山下さんの長男、晃さん(88)から寄贈を受けた資料館が、このほどおおまかな整理が終わったとして報道機関に公開した。資料館によると、戦災孤児施設は当時全国各地にあったが、細かい記録が一括して大量に残されているのは珍しいという。

 山下さんは、もともと福祉事業…

980円で月300本まで有料記事を読めるお得なシンプルコースのお申し込みはこちら