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 コースを間違えて大逆転を許したり、スタート直前にトイレに行って出遅れたり。数々の失敗を糧に成長してきたランナーが3日、第51回全日本大学駅伝に挑む。愛知工業大学4年の植松達也選手(22)。「しっかり試走してコースは覚えた。人生最後の駅伝。両足が折れてもいい。限界に挑戦したい」と意気込む。

 植松選手は166センチ、53キロと小柄ながら、愛工大始まって以来の最速タイムという5千メートル14分21秒の記録を持つ同大のエースだ。27チームが名古屋市の熱田神宮から三重県の伊勢神宮までの伊勢路106・8キロで争う大会で、エース区間とされる2区を任される。同大の奥野佳宏監督(44)は「序盤でレースの流れを持ってきてほしい」と信頼を寄せる。

 チームの信頼とは裏腹に植松選手の長距離走者としての道のりは平坦(へいたん)ではなかった。

 陸上を本格的に始めたのは中学から。女子にモテたくて運動部に入ろうと思い立ったが、球技が全く出来ず、消去法で陸上部に入った。やり投げを希望したが、やりが前に飛ばず、「走っとけ」と言われてずっと走っていたのが長距離を始めたきっかけだ。愛知県立豊明高でも長距離を続けたが、「ぱっとしない選手だった」ため、大学では続けるか迷っていた。そんな時、駅伝競技に誘ってくれたのが奥野監督だった。

 大学1年の2月、犬山ハーフマラソン(愛知県)に出場したときのことだ。記録をとるため同大陸上部全員が走る大会だった。初めてのハーフ挑戦。植松選手に緊張が襲う。レース直前に便意がもよおした。「ギリ間に合う」と判断。しかし、トイレから出ると号砲は鳴っていた。周囲は後続からスタートするコスプレランナーだらけ。かさばる人形たちに道をふさがれ、前に出られない。沿道からは「植松、なんでそんなところで走っているんだ」と奥野監督の声が響いた。「おにぎりをかぶったランナーたちの間に自分だけ完璧な陸上競技のユニホーム。見ていた人は、そういうコスプレだと勘違いしたでしょうね」と植松選手は振り返る。結果は惨敗だった。

 植松選手の苦難は続く。

 大学2年の東海学生駅伝のこと…

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