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 ナパバレーに代表される上質なワインの産地として、世界の人気を集める米カリフォルニア州。その礎を築いたのは、日本人でした。幕末の日本から世界を目指した若き薩摩藩士。時代に翻弄されながらも、たくましく誇り高い人生を送った「ワイン王」の道をたどりました。

はじまりは藩主の密命

 米カリフォルニア州ソノマ郡。高級ワインで有名なナパバレーのとなり、その歴史はナパよりも古い。車道からは黒く焦げた木々やブドウの苗木が見える。2017年の大規模な原野火災の傷痕だ。

 西海岸を南北に走る国道101号を少し入ると、ショベルカーが広大な空き地を行き来していた。周辺には産業団地やゴルフ場、住宅地もある。100年前、ここはブドウ畑だった。ワイン醸造所や温室、馬小屋を備え、洋館のまわりには草花が生い茂った。だが、往時をしのばせる「痕跡」はもう何もない。

 「ファウンテングローブ・パークウェー」

 その道の名を除いては。

 長沢鼎(かなえ)(1852~1934)が、この光景を見たらなんというだろう。薩摩藩士の本名磯長彦輔。幕末に禁を破って、13歳で英国に密航し、数奇な運命に翻弄(ほんろう)されながら「カリフォルニアのワイン王」と呼ばれるまでになった人物だ。

 1865(元治2)年4月17…

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