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 米軍は10月29日、嘉手納基地(沖縄県嘉手納町など)で夜間のパラシュート降下訓練を実施した。これに対し、沖縄県は同30日、田中利則・沖縄防衛局長らを県庁に呼び、抗議した。米軍は同じ日に伊江島でも降下訓練をしており、田中局長も嘉手納での訓練について「非常に不適切だ」と言及した。

 パラシュート降下訓練は、1996年の日米特別行動委員会(SACO)の最終報告で、米軍伊江島補助飛行場(伊江村)に集約すると合意している。嘉手納での訓練は、2007年に「例外的な場合に限る」と確認している。

 だが米軍は29日、嘉手納に先立ち伊江島でも訓練をした。このうち2人は補助飛行場から東に約1・5キロ離れた民間の畑と伊江島空港に降りた。米軍が同じ日に伊江島と嘉手納で訓練をしたことは「これまで聞いたことがない」(防衛省関係者)という。

 謝花喜一郎副知事は30日、米軍が伊江島と嘉手納で同じ日に訓練をしたことを念頭に、田中局長らに対し「(米軍は)日米合意すら除外されているのではないか」と不信感をあらわにした。田中局長も謝花副知事に対し「米側の対応は非常に不適切だ」と述べた。

 河野太郎防衛相は29日夜、記者団に対し「何が例外事由に当たるかの説明もなく嘉手納で(訓練が)行われた。日米同盟に影響を与えかねない大変遺憾な出来事だ」と強調した。

 嘉手納基地の米空軍第18航空団は30日、朝日新聞の取材に「27日の時点で、29日夜の伊江島の海の状況が悪いと予測されたため、訓練を嘉手納に移すことを27日に沖縄防衛局と外務省に通知した」。日中の伊江島での訓練については「予測された気象条件が安全で受け入れ可能な範囲内のものだった」と答えた。

 在日米軍司令部はツイッターで、シュナイダー司令官の言葉として「このような現実的な訓練は重要」とし「日本の皆様の理解と支援に感謝している」と書き込んだ。

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 沖縄県伊江村は30日、米軍が伊江島補助飛行場(伊江村)でパラシュートの降下訓練をした際、米兵1人が基地外の伊江島空港に着地したと明らかにした。29日も米兵2人が民間地に着地しており、地元自治体は反発している。

 伊江村によると、30日午後2時50分ごろ、米兵1人が飛行場から東に約1・5キロの伊江島空港の敷地に着地したという。同空港には、29日も米兵が着地。村の関係者は「基地からこんなに離れた場所に何度も落ちるとは。米軍の技術は大丈夫なのか」と話した。(藤原慎一)